お店とAIの、実践ノート。

一見すごそうですが、実は古いパソコンです。中古8万円のPCで小さな店のAIアプリを作った話

一見すごそうですが、実は古いパソコンです。中古8万円のPCで小さな店のAIアプリを作った話

中古8万円の古いデスクトップPCで小さな店のAIアプリを作った話 AI・店舗DX

私が仕事で使っているパソコンのスペックを人に見せると、少し驚かれます。

  • Core i9
  • メモリー96GB
  • NVIDIA GeForce RTX搭載
  • 1TBのNVMe SSD

数字だけを見ると、かなり新しくて高価なパソコンに見えるかもしれません。

しかし、実際には2018年から2019年頃の部品で組まれた、今では7~8年前の世代です。私はこのパソコンを2025年10月頃、中古で約8万円で購入しました。

2025年10月頃に中古約8万円で購入し、店舗アプリ開発に使っている実物のデスクトップパソコン

2025年10月頃に中古約8万円で購入した実物のパソコンです。背景の配線など、記事と関係のない部分だけを画像から取り除いています。

そして、この古い中古パソコンで、クリーニング店の受付、勤怠、会計、外注品、包装、工場などの仕事を助けるアプリを、生成AIと一緒に作ってきました。

私はエンジニアではありません。クリーニング店の店主です。

この記事では、「古いパソコンでもAIを使ってアプリを作れるのか」「メモリー96GBやGPUは本当に必要なのか」を、実際に使ってきた立場から正直に書きます。

Amazonのアソシエイトとして、合同会社まわれまわれは適格販売により収入を得ています。

先に結論:これからAI用PCを買うなら、この5台

これから同じようなことを始めるなら、最初から96GBメモリーのパソコンを買う必要はありません。

ChatGPT、Claude、Gemini、Codexを使った文章作成、WordPress運営、Webアプリ開発までなら、まず次の構成があればかなり幅広く使えます。

部品 最初の目安 動画編集・ローカルAIも重視する場合
CPU Core i7/Core 7またはRyzen 7クラス 同等以上
メモリー 32GB 32~64GB
ストレージ NVMe SSD 1TB NVMe SSD 1~2TB
GPU クラウドAI中心なら必須ではない NVIDIA GeForce RTX、ローカルAI重視ならビデオメモリー16GBを優先
OS Windows 11 Windows 11

ここでは、10万円以下の完成品2台を含め、価格と用途が違う5台を候補にしました。

※本記事には広告リンクが含まれます。次の5台は私の所有機ではなく、2026年9月4日時点で公開されている仕様をもとに選んだ候補です。価格と在庫は変動するため、購入前に商品ページで型番、メモリー、SSD容量、販売元、保証条件を確認してください。

1.10万円以下でCPU性能を優先:MINISFORUM NAB9S

  • Amazon確認時価格:89,999円から
  • Core i9-13900HK(14コア・20スレッド)
  • メモリー32GB
  • NVMe SSD 1TB
  • Windows 11 Pro
  • NVIDIA製の専用GPUは非搭載

2026年9月4日の確認時、Amazonの商品ページでは32GB・1TB構成が89,999円から表示されていました。Core i9-13900HKは14コア・20スレッド、最大5.4GHzのCPUです。複数のブラウザ、開発画面、表計算、画像、資料を同時に開く使い方に向いています。

ChatGPT、Claude、Codex、WordPress、Webアプリ開発なら余裕のある構成です。一方、専用GPUはないため、重い動画編集や本格的なローカルAIには向きません。また、Amazonでは1件の出品価格として表示されていたため、購入時は販売元と保証条件の確認が必要です。

MINISFORUM NAB9S 32GB・1TBモデルをAmazonで確認する

2.10万円以下で内蔵グラフィックスも重視:GMKtec NucBox M7 Pro

  • Amazon確認時価格:95,860円
  • Ryzen 9 PRO 6950H(8コア・16スレッド)
  • メモリー32GB DDR5
  • NVMe SSD 1TB
  • Radeon 680M内蔵グラフィックス
  • NVIDIA製の専用GPUは非搭載

2026年9月4日の確認時、Amazonの商品ページでは32GB・1TB構成が95,860円で表示されていました。Radeon 680Mを内蔵しており、画像処理や軽い動画編集も考える場合の候補です。

これもクラウドAI、Codex、ブログ運営、Webアプリ開発には十分です。ただし、Radeon 680MはCPU内蔵グラフィックスです。GeForce RTXの代わりにはならず、CUDAを前提にした本格的なローカルAI用途には向きません。

GMKtec NucBox M7 Pro 32GB・1TBモデルをAmazonで確認する

3.新しい世代のミニPCを選ぶ:GMKtec K8 Plus

  • Ryzen 7 8845HS
  • メモリー32GB
  • NVMe SSD 1TB
  • 小型のミニPC
  • NVIDIA製の専用GPUは非搭載

ChatGPTやClaude、Codexを使った文章作成、WordPress、一般的なWebアプリ開発なら、この構成でも十分に始められます。机の場所を取らないのも、小さな事務所や店舗には利点です。

一方、本格的な動画編集や、大きな生成AIモデルをパソコン内で動かす用途には向きません。「AIは主にインターネット上のサービスを使う」と割り切れる人向けです。

GMKtec K8 Plus 32GB・1TBモデルをAmazonで確認する

4.動画編集まで含めたバランス型:ASUS TUF Gaming T500

  • Core i7-13620H
  • メモリー32GB
  • NVMe SSD 1TB
  • GeForce RTX 5060 Ti 8GB

クラウドAI、Codexでの開発、画像処理、動画編集まで、一台で広く取り組みたい人向けです。私の用途に近い人へ、5台の中で最も説明しやすい標準候補です。

ただし、この型番のGPUメモリーは8GBです。小さめのローカルAIを試す余地はありますが、ローカルAIを主目的にするなら、次の16GBモデルを選ぶ方が余裕があります。

ASUS TUF Gaming T500 32GB・1TB・RTX 5060 TiモデルをAmazonで確認する

5.ローカルAIや重い動画編集まで考える:HP OMEN 35L

  • Ryzen 7 8700F
  • メモリー32GB
  • NVMe SSD 2TB
  • GeForce RTX 5070 Ti 16GB

パソコンの中で画像生成やローカルAIを試したい人、4K動画編集なども視野に入れる人向けです。GPUのビデオメモリーが16GBあるため、8GBモデルより扱える処理の幅が広がります。

ただし、ChatGPTやCodexをブラウザで使うだけなら明らかに過剰です。価格も高いため、「いつか使うかもしれない」ではなく、ローカルAIや重い映像処理を実際に行う人向けの上位候補です。

HP OMEN 35L 32GB・2TB・RTX 5070 TiモデルをAmazonで確認する

私なら、10万円以下でCPU性能を優先するなら1、内蔵グラフィックスも少し使うなら2、新しい世代の省スペースPCなら3、動画編集まで行うなら4、ローカルAIまで本気で試すなら5、と分けます。

私の中古パソコンのスペック

2026年9月3日にWindowsの「バージョン情報」とタスクマネージャーの実機画面から確認した構成は、次のとおりです。

中古8万円で購入した実機PCのWindowsデバイス情報。Core i9-9900KF、メモリー96GB、RTX 2070を搭載

実機のデバイス情報。デバイスIDとプロダクトIDは、安全のため画像から除いています。

部品 実機の構成 世代・補足
OS Windows 11 Home 25H2 実機のOSビルドは26200.9168
CPU Intel Core i9-9900KF 実機表示3.60GHz、8コア・16スレッド、最大5.0GHz
メモリー 96.0GB Windowsの使用可能容量表示は95.9GB。DDR4のメーカー・構成は未確認
GPU NVIDIA GeForce RTX 2070 ビデオメモリー8GB
ストレージ 1TB級NVMe SSD Windows表示954GB、撮影時の使用領域207GB。メーカー・型番は未確認
マザーボード ASRock Z390 Taichi Ultimate 第8・第9世代Core対応

Windowsでは1TBとして販売されるSSDの全容量が、そのまま「1,000GB」と表示されるわけではありません。この実機では使用可能な総容量が954GBと表示されているため、本文では一般的な製品表記に合わせて「1TB NVMe SSD」としています。

Core i9-9900KFは2019年第1四半期に発売されたCPUです。発売当時は上位クラスでしたが、Intel公式では現在「Discontinued(製造終了)」となっています。8コア・16スレッド、最大5.0GHzという数字は、今見ても一見かなり強そうです。

RTX 2070は2018年10月に登場したGPUで、8GBのビデオメモリーを搭載しています。これも当時は高性能な部類でした。

つまり、このパソコンは「昔の安いパソコン」ではありません。

2018~2019年当時の高性能部品を積んだ、元ハイエンドの中古パソコンです。

新品の最新型ではありませんが、文章作成、ブラウザ、表計算、Webアプリ開発、画像処理など、私の仕事では現在も十分動いています。

なぜ、クリーニング店主がアプリを作り始めたのか

私の店は、受付と工場が同じ建物にある小さなクリーニング店です。

距離だけを見れば近いのですが、以前から受付と工場の間には、見えない壁があると感じていました。

受付で聞いたお客様の要望が工場へ十分に伝わらない。工場で起きていることを受付がすぐ把握できない。外注に出した品物の状況を確認するため、紙を探したり、人に聞いたりする。

小さな店だからこそ、スタッフからはこう思われがちです。

デジタルに入力するより、品物を持っていって直接話した方が早い。

確かに、その瞬間だけを見れば話した方が早いこともあります。

しかし、話した内容は記録に残りません。その人が休みなら分からない。後から確認したくても、誰が何を言ったのか曖昧になります。

この「その場では会話の方が早い」という感覚が、小さなお店のDXを進めるうえで、最も大きな壁の一つだと思っています。

ベンダーに伝えること自体が難しかった

システム会社へ依頼すれば、すぐ解決するわけでもありません。

店の仕事には、長年の経験で身についた細かな判断がたくさんあります。店側では当たり前すぎて、ルールとして言葉にしていないこともあります。

「この場合はこうする。でも、この品物だけは例外」「急ぎでもこの加工なら日数が必要」といった内容を、現場を知らない人へ正確に伝えるのは簡単ではありません。

作ってもらった後に「少し違う」と分かっても、再修正には時間と費用がかかります。

生成AIを使うようになって変わったのは、自分の頭の中にあるルールを、対話しながら少しずつ言葉にできるようになったことでした。

完璧な仕様書を最初から作るのではなく、まず小さく作って、現場で触り、違うところを伝えて作り直す。これを繰り返せるようになりました。

2025年11月、小さな管理アプリから始まった

最初から大きな店舗システムを作ろうとしたわけではありません。

2025年11月頃、Geminiを使いながら、納期が遅れている品物を管理するアプリや、外注品を管理するアプリを作り始めました。

2026年1月頃からは、ChatGPTとClaudeを使ってレジシステムの開発を始めました。3月頃にはClaudeを中心に受付アプリを作りました。

ところが、受付、会計、勤怠、包装、工場の機能を、すべて一つのレジシステムへ詰め込もうとして、だんだん複雑になりました。

そこで、考え方を変えました。

一つの巨大なシステムを作るのではなく、仕事ごとにアプリを分けることにしたのです。

  • 受付アプリ
  • 勤怠・給与計算アプリ
  • 会計・現金管理アプリ
  • 外注品管理アプリ
  • 包装アプリ
  • 工場アプリ

2026年5月頃からは、ChatGPTのCodexも使い、作ったシステムのコードや動作を点検するようになりました。

店舗の会計・現金管理アプリを左に表示し、右側のCodexで開発と点検を進めている実際の作業画面

左側が店の会計・現金管理アプリ、右側がCodexです。実際の画面を並べ、動きを確認しながら修正しています。店内の金額とパソコン内の保存場所は画像から隠しています。

現在も、すべてが完成して本番稼働しているわけではありません。現場で試し、不具合を直し、作り直している途中のものもあります。

それでも、プログラミングを仕事にしていない小さな店の店主が、自分の仕事に合わせた道具をここまで形にできたことは、数年前には想像できませんでした。

私が作りたいのは「すごいAI」ではない

AIという言葉を使うと、何でも自動で判断する大がかりなシステムを想像されるかもしれません。

しかし、私が最初に作りたいのは、もっと地味なものです。

今、人が毎日やっている面倒な仕事を一つ減らす。そのために、別々だった二つの仕事を一つにつなぐ。

例えば、包装アプリで処理した点数が、そのまま工場アプリの包装数へ反映されれば、同じ数字をもう一度入力する必要がありません。

受付で入力した依頼内容が工場でも見られれば、品物を持って説明しに行く回数を減らせます。

派手ではありませんが、小さなお店に必要なのは、こうした一つひとつの面倒を減らす仕組みだと考えています。

AIアプリ開発にメモリー96GBは必要だったのか

結論から言うと、必要ではありませんでした。

ChatGPT、Claude、Geminiなどをブラウザで使い、一般的なWebアプリを開発するだけなら、96GBはかなり多すぎます。

私の場合は、ブラウザのタブを大量に開き、コード編集画面、複数の開発画面、画像、資料などを同時に開くことが多いため、メモリーに余裕があること自体は助かっています。

実際にタスクマネージャーを撮影した時点では、使用中のメモリーは14.2GB/95.9GB、使用率は15%でした。これは一時点の数字であり、普段の平均使用量ではありません。それでも、少なくとも撮影時の作業では96GBの大半が使われていなかったことは確認できます。

ただし、「AIを使うには96GB必要」という意味ではありません。

このパソコンのCPU、Core i9-9900KFが公式に対応する最大メモリーは128GBです。96GBを認識して動いていることに不思議はありませんが、私の普段の作業で96GBを使い切ることはほとんどありません。

これから同じようなことを始める人が、私と同じ構成をそろえる必要はありません。

RTX 2070というGPUは役に立ったのか

Webアプリを作るだけなら、RTX 2070は必須ではありません。

私が使っているChatGPT、Claude、Gemini、Codexの主要なAI処理は、基本的にサービス側のコンピューターで行われます。自分のパソコンのGPUが直接、巨大なAIを動かしているわけではありません。

GPUが役立つのは、動画編集や画像処理などです。

タスクマネージャーで確認したNVIDIA GeForce RTX 2070。専用GPUメモリーは8GB

タスクマネージャーで確認したRTX 2070の実機表示。専用GPUメモリーは8.0GBです。撮影時の使用率や温度は、その瞬間の値です。

例えばAdobe Premiereでは、対応するエフェクトの処理、編集中のリアルタイム再生、動画の書き出しなどにGPUを利用できます。GPUがあることで、エフェクトをかけた動画の確認や書き出し時間の短縮につながります。

一方で、RTX 2070のビデオメモリーは8GBです。軽量なローカルAIを試す余地はありますが、現在の大規模なAIモデルを本格的に手元で動かすための最新GPUとは言えません。

撮影時のタスクマネージャーには「GPUメモリ1.7/84.7GB」と表示されていますが、RTX 2070自体に84.7GBのビデオメモリーがあるわけではありません。内訳は、専用GPUメモリー1.5/8.0GBと、パソコンのRAMから一時的に使える共有GPUメモリー0.2/76.7GBです。GPU本体のビデオメモリーとして比較すべき数字は8GBです。撮影時のGPU使用率は3%、温度は48℃でしたが、いずれもその瞬間の値です。

このパソコンにGPUがあって良かった場面はあります。しかし、小さな店のWebアプリをAIと一緒に作るための絶対条件ではありませんでした。

本当に役立ったのは、最新スペックではなかった

このパソコンは、今でも十分速く動きます。

しかし、アプリを形にできた一番の理由は、Core i9でも、96GBメモリーでも、RTX 2070でもありません。

店の中で、何が面倒なのかを毎日見ていたことです。

受付と工場の間で、どこで情報が止まるのか。スタッフがどの入力を嫌がるのか。どの作業なら、紙や会話の方が本当に早いのか。逆に、どこは記録しなければ後で困るのか。

現場を知っている人がAIに伝え、実際に触って、違うところを直していく。

高価な最新パソコンがなくても、この繰り返しはできます。

同じ中古PCを買う前に確認してほしいこと

この記事を読んで、「同じような古い高性能PCを買えばいい」とは考えないでください。

中古パソコンは、同じ型番でも保存状態や部品の消耗が違います。特に、次の点は購入前に確認した方がよいと思います。

  1. Windows 11が正式に動作する構成か
  2. SSDの容量と健康状態に問題がないか
  3. 必要なメモリー容量へ増設できるか
  4. 動画編集をする場合はGPUとビデオメモリーが十分か
  5. 電源、冷却ファン、端子類に不具合がないか

私のようにブラウザ中心でAIを使うなら、GPUよりも、SSD、十分なメモリー、安定したインターネット環境を優先する方が現実的です。

古い道具でも、小さな店の仕事は変えられる

私のパソコンは、一見するとすごそうですが、最新機種ではありません。

2018~2019年世代の部品で組まれた中古PCです。

それでも、ChatGPT、Claude、Gemini、Codexと対話しながら、店の中で毎日起きている小さな困り事を、少しずつアプリへ変えてきました。

まだ完成ではありません。失敗も、不具合も、作り直しもあります。

だからこそ、これからも成功した話だけではなく、うまくいかなかった部分も含めて公開していきます。

小さなお店のDXは、最初から大きなシステムを導入することではありません。

今日の面倒を一つ減らす。その小さな改善を、明日へつなげることから始まるのだと思います。


参考資料


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